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リハビリ:理学療法と作業療法

更新日:2022年11月25日

こんにちは!


当施設では、

理学療法士の天野と作業療法士の伊藤の二人体制でお子様のリハビリを行っています。


普段のリハビリの様子を見る機会がないため

どんなリハビリをしているの?という疑問や不安もあると思います。


今回はおかやま重心では、どのようなリハビリをしているのかお伝えしていきます♪

その前にまず、理学療法と作業療法の違いはご存知でしょうか?

理学療法とは?

理学療法士は「痛み・不快感を取り除き、基本的動作の回復を目指すこと」を強みとしています。

「治療によって対象者様の痛みや不快感を和らげたい」「身体の機能や構造にアプローチをかけ機能維持・改善をしたい」という方は、理学療法を中心に行っていきます。

作業療法とは?

作業療法士は「一人ひとりの日常生活や社会生活への適応を目指すこと」を強みとしています。

「対象者様の知的・精神的ケアにも重きを置きたい」「日常生活や社会復帰や生きがいを意識した幅広いサポートがしたい」という方は、作業療法を中心に行っていきます。

理学療法と作業療法の違いがざっくりと分かったと思います。


当施設では以下の10つのプログラムをメインに行っています。

①リラクゼーション

私たちは、治療を実施する前に現在の状況把握をするため、必ずと言っていいほど触診をしています。

そして筋緊張は高くないか、関節は安定しているか、骨格の姿勢は正しいか、外傷はないか、呼吸は安定しているか、など様々なことを考え、評価を行っています。


よく「筋緊張」という言葉を私たちは使用します。


筋緊張」とは、筋を指でつまんだときの硬さや、関節をぶらぶら揺らしたときの振れ具合、関節の可動域などで評価される筋の状態を示します。


筋緊張が高ければ高いほど、異常に筋力が働き、自身の意思で手足や身体を動かすことが困難になります。また反対に、筋緊張が低すぎても、筋に力が入らず、動かすことが困難になってしまいます。


そうすることで、関節が硬くなり、動きが悪くなってしまうこともあります。

それを「関節可動域制限」「可動域制限」と言っています。


可動域制限を改善することで筋などの組織が緩み、身体の動きが良くなったり血流や姿勢が改善されたりします。

②関節可動域訓練

様々な理由()により、関節の可動域制限が生じてしまった場合や、自ら手足や体を上手にコントロールできない場合などの際に重点的に実施しています。


関節可動域訓練も多くの症例で実施している重要な訓練となります。


関節可動域が制限されることで、生活に必要な動きができず介助量が多くなってしまうこともあります。

また、側弯など脊柱が曲がってしまったりすることで呼吸状態や血液の流れに悪影響を及ぼし、さらに内臓へのダメージへと繋がってしまうこともあります。


上記の状態を少しでも緩和させられるよう日々可動域訓練を行っています。


関節可動域制限の原因は様々です。

骨、軟骨、筋、腱、神経、皮膚、関節、靭帯、脂肪、血管などに影響されます。

上記のものなど、なんらかの原因で、正常範囲で関節が硬くなり手足が動かなくなってしまう状態を「拘縮」と言います。

③座位保持訓練

座位とは、座る事です。

ただ一概に「座る」といっても、そんな簡単な事ではありません。


座るためには、まず「座るとはどういうことか」という概念が重要となってきます。

そして本人が「座る必要性」を感じることと「座ろう」という意思や意欲がなければ座ることが非常に困難です。


こうした前提条件がある上で、更に考えていく必要があるのは「首は座っているか」「手足で身体を支えられるか」「筋力があるか」「バランスは自分でとれるのか」「重心移動はできるのか」「体を上手に使えているか」「健康状態が安定しているか」「精神的に安定しているか」「骨格が整っているか」「麻痺はないか」など多くのことを考え、評価していきます。


座位訓練もリハビリにおいて非常に重要で、座位姿勢を取ることで重力による荷重を実感することで筋に刺激を与えたり、呼吸状態を安定させること、循環状態を改善させることなども効果として挙げられます。

④立位保持訓練

立位とは「立つ」事です。

立位姿勢をとることは歩く前段階でもありますし、身体のあらゆる機能が備わっているかどうかの判断をすることができます。


立位でも座位同様の能力は十分備わっていることはもちろんですが、立位に対する恐怖なども払拭していく必要があります。


身体で「立つ」ことを覚えてしまえば小脳が記憶し、「立つ」という動作が無意識でできるようになります。


安定した立位姿勢をとるためには足底(足の裏)を床につける必要があります。

しかし、足(後脛骨筋など)に過度に筋緊張が入ってしまうことで「内反尖足※下の画像参照)」となり安定した立位姿勢がとれなくなってしまうケースも多く見受けられます。


立位訓練では、足底を床につけた状態で立位姿勢のアプローチを行っています。

筋緊張を緩和するためにはご家庭でも定期的にリラクゼーションを行い、改善していくことが望ましいです。


※内反尖足(左足)の状態

⑤バランス訓練

バランスとは、「つりあい」「均衡」という意味です。


みなさんは前後左右へ必要以上に傾いたり力が加わった際に、手や足などを使い、元の状態を維持しようとしたり、安定した状態に戻ろうとします。

これがバランスをとるということです。


バランスをとる上で重要なのは「支持基底面」と「重心」です。


支持基底面とは、体重を支えるために必要な床の面積のことです。

重心とは、簡単に言うと重さの中心点ということです。


この支持基底面が大きければ大きいほど、バランスが安定します。

また重心が低ければ低いほど安定します。

支持基底面から重心が外れることでバランスを崩し、倒れやすくなってしまいます。


そこで問題です!

最も安定する姿勢はどんな姿勢でしょうか?


重心は、大人はおへそよりも少し下に、子どもはおへそよりも上にあります。

子どもは身長が低く、身長に対して頭が大きいため重心の位置が高くなります。

そのため転びやすいということです。


支持基底面や重心を意識しバランスをとっていく練習をしています♪





~もっと知りたい方へ~



半規管(三半規管)という言葉をご存知でしょうか?

半規管という所がバランスをつかさどっている事はご存知かと思います。

しかし、それだけではなく触覚・視覚・聴力などの感覚も重要となってきます。


幼少期ではこれを「反射」と呼ぶ時期もあります。

このバランスをとることは、姿勢を保つ中で非常に重要となってきます。


また、バランスをとるためにはボディイメージといって

自分の身体が今どんな状態なのか、どういう風に動かしているのか(=ボディイメージ)」などを把握できている必要があります。

それを「感覚統合ができている」とも捉えられますね。



そしてバランスを維持する上で股関節と足関節も非常に重要な働きをしています。

それぞれ「股関節戦略」「足関節戦略」という機能がつかさどっています。


どういう意味かというと、

股関節はからだ上半身の重心を調節し、足関節は足や下半身にかかる体重を調節

バランスが崩れた際などに、崩れた方と反対方向に状態を起こそうと働きます!




内容が複雑なので、興味のある方は伊藤か天野に聞いていただければお答えします!

⑥歩行訓練

座位・立位・バランス・筋力など多くの機能・能力を駆使し歩行を行います。

歩行訓練は個々の能力に合わせて介助方法や訓練内容が異なります。

装具を着用して実施したり、様々な介助量方法(脇下・骨盤・手引き)で行います。


歩行にも「歩行周期」という複雑な歩行手順があります。





歩行訓練は、「重心」を意識し一歩一歩を上図の歩行周期に合わせて訓練をします。

普段みなさんは、何気なく歩くことができていますが、複雑な動きを伴って「歩行」をすることができています。


リハビリではこれを意識しつつ訓練を行っています。

⑦日常生活動作訓練

ADL」という言葉を聞いたことはありますか?


ADLActivities of Daily Living)とは、日常生活を送るために最低限必要な日常的な動作で、「起居動作(寝返り・起き上がり・座位・立位)・移乗(椅子などから他の所へ移る事)・移動・食事・更衣・排泄・入浴・整容」動作のことです。


麻痺や筋力低下などで動作が難しくなり、介助量が増えてしまう・・・

そういった方に支援をしています。


その中でも私たちは主に起居動作・食事・移動・排泄の訓練を中心に行っています。


起居動作訓練では、寝返り・起き上がり・座位・立位の獲得や円滑に動作が出来るよう支援しています。


食事訓練では、食べ物を見て、口の中へ運び、飲み込むまでを評価しています。

えんげ訓練(飲み込みや口、表情筋などのトレーニング)を行ったりもしています。


移動では、歩行や四つ這いなどの移動手段の支援をしています。

歩行をすることで本人のモチベーションの向上にもつながります。


排泄訓練では、排泄時に協力動作が得られるよう支援したり

排泄コントロールをするために環境を整えたりしています。


ADLが低下してしまうと生活の質(QOL;Quality of Life)が下がってしまいます。

QOLとは人間らしく満足した生活を送れているか表します。


ADLが自分でできるようになると生活の質(QOL)も高まります

逆に、寝たきりでADL能力が低い場合でも、ベッドで映画を見たり、音楽や読書を聞いたり、お話をしたりと「生きがい」や「やりがい」を見つけ、それに取り組むことでも生活の質(QOL)が高まります。


私たちが当たり前にできている生活の動作を、少しでも自身の力や意思を尊重し改善していけるよう支援を続けています。

⑧手指動作訓練

創作活動やおもちゃ遊びを通じて、大きな手の運動や手の細かい動きの練習を行っています。

手先には多くの神経が通っている事はご存知の事と思います。


そういった触る・つまむ・つかむ・握る・投げるなどの動きを活かしてリハビリをしていきます!

⑨呼吸機能訓練

利用者様の中には日中横になって過ごす方もいて、痰などの吸引を必要とする方もいらっしゃいます。

吸引を必要としている方を主な対象として、呼吸訓練を行っています。


呼吸訓練では、座位訓練や横隔膜トレーニングを行っています。

座位姿勢を取ることで、重力に対して筋や血流が活発化するので身体に良い刺激が入ります。


横隔膜トレーニングでは、胸郭から横隔膜にかけて両手で覆い、呼吸に合わせて荷重を加えたり緩和しています。


私たちは息を吸うと胸が膨らみ、息を吐くと縮みます。

それは横隔膜などの働きによって起こっています。


息を吸い胸が膨らんでいる時に圧を緩め、息を吐き胸が縮んでいる時に圧を加えて

横隔膜の働きを助けています。


呼吸に関わる筋力の向上や、足腰の筋力強化、胸郭や呼吸に必要な筋肉の柔軟性保持・改善などのリハビリテーションを行い、「呼吸困難感(=息苦しさ)の軽減」と「体力面の強化」を図ることで、「QOL(quality of life=生活の質)」を向上させます。

⑩創作活動・イベント・レクリエーション参加

おかやま重心では様々な創作活動やイベント・レクリエーションを行っております。

ホームページにも記載しておりますが、毎週の活動に加え、

作品を職員と一緒につくったり、シャボン玉や散歩などの楽しい時間を過ごせる

活動を行っています。


リハビリのことでお悩みの方がいましたら是非ご相談ください☆







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